パソコンのディスプレイを眺めながらマウスをひたすらスクロールして、悠に1時間は経っただろう。さっきからずっと、ワードの画面が上下に流れるだけでちっとも文字は増えていかない。あぁ、もう無理なんだなあと思う。わたしにはもう書けないんだ。 椅子の…
サヨナラの覚悟はできていた。 背中のリュックサックの中には、わたしの狭いワンルームに散らかしてあった彼との思い出を全部詰め込んである。彼がパジャマにしていたダサいキャラクターもののスウェットや、おそろいのスリッパや、使っていたワックス。捨て…
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